音もなく歩み寄る影 白粉の香 すれ違うたび 微笑みは矛を伏せたまま 「お元気で」言の裏にて薙ぐ その瞳に火花 燃えて 溢れた言葉が牙を剥く 華の如きその微笑みに 隠せぬものはこの妬み 優劣の舞 秘めたる爪 誰が最 高き座に咲く? 囁きに棘を忍ばせ 沈む目元 謀あり 微睡みも罠に変えしは 咲き誇る女の執念 心の深奥 闇がひらく 触れるは一瞬 裂けるほど深く 綺羅の衣に身を包めど 滲むは嫉と欲の色 愛も策りも手駒にして 奪う覚悟は刃よりかたく 夜を裂き金の鈴鳴る 眠れぬ夢に名を呟く ただ一人 映る面影 勝者か否かは風のみぞ知る And I smile, for no one knows
