人里離れた村落 翡翠が鳴く 悲しげに泣く 事件性は無く 祭りは唯粛々と 夕立がやむ 人間が病む 後悔を編む 夏の葬列 君は無邪気な顔で 夢を殺しただけです 蝉時雨だけ ここに ここにあるのに 聞こえないふりなのです どうか許して ここが現世ならば 君の姿は見える 夏の亡霊 君のいたあの夏は もう戻らないのかな 祭りの後の 何も 何もない夜 保護区域から出れない 蝉の抜け殻 みたい この幽世が 閉ざされるまで生きよう 誰か助けて 君は僕を殺すの? 手には刃物を持って 閉じ込められた夏に 君は笑って もう終わりだよなんて 夕立は鳴く ひどく煩い音で 僕の遺体を濡らす オヤシロ様は 呪う 不気味なサイレン 君の笑顔がキモイ 誰も知らない 蟲毒 蝉が泣き止む 三十二日前に 君は笑顔で さらば 繰り返すなよ これで最後だまたね