帷が降りた無声映画のような夜 立ち尽くしたホームに響く 最後の知らせは聞き逃した 家路に着く並木路に敷かれた無数の 水溜り まだ生き残る街灯の反射で世界を彩 る 日を跨いでも昨日を終わらしきれな い 諦めの悪い子供たち明日を忘れて 気を欺いても昨日を終わらせるから 最後の交差点で 見上げた空はいつまでも変わらない まま 世界の果てまで繋がり続けて 訪れる晴れ間は表情を変えないから 今日この街を後にする 街灯が照らした寂しさの1人歩き 蚊帳の中で無限に広がり続ける闇を 世界に閉じ込めて 羽を広げて何処までも飛び続けよう 居場所を持たない僕らは 自由でどこへだっていける その先が闇だろうとその手は離さな いから またこの街に帰ってくるよ 帷が降りた無声映画のような夜を 引き裂くように日が差した 憂愁を湛える心をそっと落とした 最後の交差点で 見下ろす街が綺麗に見えないこと 愛の意味が分からなくなったこと 訪れる晴れ間は表情を変えないから 握った手を離さずに ねぇなにもないよこの街も世界もさ ねぇなにもないよこの夜から逃げ出 そう 帷が降りた無声映画のような夜に 最後の旅立ちを 帷が降りたらさよならを