朝から晴れた休日は いつもの場所で待ってる 坂を降りて公園の 噴水横のベンチに 輝かしい過去が 浮かんで消え 手を振る皆に答えた 笑顔だけは 面影を残す 線路の向こうに立ち昇る 南の国の蜃気楼 時刻表に刻まれた モノトーンカラーの芸術 覗いたレンズの中に 揺らめく景色 このままスピードを上げて 上り下り 誰かの待つところまで その眼に写る 色 形 光と影とを キャンバスに描けば 誰もいない風景画 仕事を終えてバスの中 君の事を考える プラネタリウムの狂騒と 鉱石ラジオの夜 手にしたはずの未来は どこかに逃げて フィルムに写る現実は ピントが暈けて 像を結ばない 変わりゆく世界で 意味のある物だけ残して キャンバスに描けば 誰もいない風景画 人のいない風景画 君の肖像画