酷いくらい上手に嘘をつくね、 君の泣き顔なんて 見たことなかったのに。 ただ同じ分だけ背負えたなら、 なんて言う資格も無いんだろう。 濁った肺腑は曇り空のよう。 此処に長く居たって、 何が変わる訳じゃ無い。 甘過ぎるくらい香る花が見ている。 枯れないやつが良かった? この生活に正解があったとして、 この展開に例外があったとして、 書き換えようのない当たり前が 嫌で、 まだ、嘆いてる。 言葉だって段々簡略化して、 伝わってるかどうか分かんなくて、 過ぎてった時間は戻らなくて、 怖い。 この熱は我が儘で汚れた箸で命を 食べて、 それでいて君が居ない悲しみだけは 消えてくれなくて、 喉元を過ぎたって少しも 楽になりはしなくて、 すれ違いも思い出も、 全部そのままにしておいたんだ。 変わらないまま。 大事なことすら 忘れてしまうのなら、 まだ苦しくて良い。 大事なものすら 傷付けてしまうなら、 弱いくらいで良い。 君の走馬灯に映った僕は きっと能天気な顔をしていて、 君のちょっとの違いにすら 気付けないだろう。 思い出の場所に今更行って、 我が物顔で記憶を辿って、 何を大事にすれば良いのか 分からないよ。 少しくらい、頼るくらい、 してくれたって良かったのに、 なんて 後出しで言えてしまう 自分のことが許せないだけ。 この熱は我が儘で、 引き摺るように過去を抱えて、 君のこと置いていく 季節になんて慣れたくもなくて、 この街が変わっても、 約束はきっとまだ続いて、 揺れる影を追いかけた。 あの日と同じ匂いがしたんだ。 君の声が聞こえた、気がした。