光を見ているみたいに、 目を細めてしまう。 でも求めてしまう。 二人で歩いた帰り路。 響く十七時のチャイム。 君をとられてしまう気がした。 向かい風が吹いてる。 縋ってなんかいない筈。 一人で立っていられる。 間違ってなんかいない筈。 期待はもうしないように。 失敗ももうしないように。 切り取った 今日の思い出に追われる。 じゃあねって言い合ったって 明日が来ない気さえしたんだ。 大事にしたい言葉だって 触れもしないまま消えてった。 振り返りたいと思った。 だけどそしたら歩けなくなった。 擦りむいた傷の分だけ 君の笑顔が眩しくなる。 このまま時間だけが経って、 傷が癒えたとして、 汚れた手ではもう何も守れなくて、 それが一番怖かったの。 まだこのまま言葉にしないで、 伝えないでいよう。 僕の全てが花のように枯れるまで 待ってて、待ってて欲しい。