ようこそ ここは時空屋 地の底まで気分が沈んだ時にだけ現 れる異空間 世界線の移行から 未来、 時を逆流し過去まで 世を彷徨う人を救う為 時を売る場です ここのところ連日連夜の徹夜のせい か 変な光景が広がっていた 電波は圏外 腕時計が狂い回っていた 不思議な看板が目に映ったんだ "この先、あなたの望む時間が" 何が何だか分からないまんま辿り着 く店の扉叩いた 「ようこそ いらっしゃいませ 現実の歪み生んだ狭間へ 迷い込んでしまうお客様へ この先の道の案内屋です」 「数十年先、機械人化の文明 熱的死迎えた宇宙の終焉 抗いたいその運命すら叶える術と夢 を売っております」 まずこの場を織り成す異様な景色に 疑う余地なく 思わず身を乗り出す 実はとにかく過去に戻りたく 「なるほどもちろん売ってますとも 何を隠そう時空屋なる者 ただし時間の矢に逆らうこと 二度と明日をも拝めぬ覚悟を」 因果律は重なった 束ねる糸の先で歪に絡まった 真っ赤な彼岸花 誰も逃れられないこの時間から未だ いま自ら産まれし業 背負う 未来永劫 抗いたいなら変わるべきは貴方から 一つ 乙、財産を甲に移譲 一つ 身体捨て意識のみの移行 一つ 記憶は消去しとく 規則「時空法」に基づいて以上 流れた時を渡ればこそ塗り替えられ るこのたられば これまでの記憶が失われたならまた 過ちを犯すままでは 「それはご安心下さいまし こちら商売人 万事抜かりなし 分岐点に立つ際に夢の暗示となり働 きかけますから」 それがあるなら有利かつ心配はなく 、 また、人生をやり直すとなったら 持ち金なんて意味はなくなるから 署名と捺印して契約し 人生を白紙に戻す選択し 今日で私の犯した罪をなくし過去に 希望を託し 通された店の裏側 真っ暗な穴 漆黒の奈落 時の法則歪める究極的重力 光すら逃さないそれは通称”林檎の 虫食い空洞” 過去(みらい)は飛び抜けた向こう 逆巻く風 皮膚剥がれ 吸い込まれ消えていく時の彼方へ 因果律は重なった 束ねる糸の先で歪に絡まった 真っ赤な彼岸花 誰も逃れられないこの時間から未だ いま自ら産まれし業 背負う 未来永劫 抗いたいなら変わるべきは貴方から 「早く、はやく」 「急げ、いそげ」 「早く、はやく」 「さぁさぁ早く」 不思議な看板が目に映ったんだ "この先、あなたの望む時間が" 何が何だか分からないまんま辿り着 く店の扉叩いた 「ようこそ いらっしゃいませ 現実の歪み生んだ狭間へ 迷い込んでしまうお客様へ この先の道の案内屋です」