朝の光が差し込んで 爽やかなはずのワンシーン だけどまぶたの奥がムズムズ 世界が涙でぼやけてく 鏡の前でこすっちゃダメと 分かっているのに指が動く 赤い目して出勤すれば 「昨日泣いた?」と聞かれる始末 これが俺の 目がかゆいブルース 春になるたび鳴り響く コンタクトもズレて涙の川 視界のピントはどこへ行った 電車の窓際こすりすぎて レンズが曇ってスマホも見えん 駅のポスター二重に見えて 芸能人が急に増えている 会議で資料を読もうとすれば 涙のしずくでインクがにじむ 「情熱的な発表だね」と 勘違いされて拍手までもらう これが俺の 目がかゆいブルース 人の目さえも直視できん サングラスかけりゃ怪しいやつ でもこの涙は止まらない コンビニで目薬を買い足して ポケットに三本ストックしてる 一日で全部使い切って 財布も涙もからっぽさ 春風に揺れる花の影で またこすりたくなる誘惑の手 理性と痒みのデスマッチ 勝負の行方は今日もドロー これが俺の 目がかゆいブルース 痒みが作る即興ジャズ 涙と鼻水混ざり合って 季節限定のブルースマン