飲み会テーブル、 鍋がぐつぐつ踊り出す 「今日は海鮮スペシャルです!」 の声が突き刺さる 笑顔の友達、 手には赤いハサミの戦利品 僕は遠くからグラスを掲げて 乾杯のフリ エビチリの湯気が甘酸っぱく漂う 隣の子は無邪気に 「食べる?」って差し出す その笑顔は嬉しいけれど、 僕のセンサーが全力警報 鼻と喉が「やめとけ!」 とリズムで叫ぶ だから宣言、場のルール 「えび・かに・恋バナ禁止!」 アレルギーと照れ屋の二重苦で この場をサバイブしていくんだ 誰かが恋バナを始めれば空気は ピンク色 「付き合ってんの?」 「どうなの?」なんて矢が飛ぶ 僕は鍋の隅で白菜をすくいながら 心臓がエビフライみたいに油で 跳ねてる 「告白したことある?」って 聞かれて 「いやいや、 エビに告白されても困るわ」って 返す みんな爆笑、その隙に唐突な救済 けれど僕の心は正直ハラハラ えび・かに・恋バナ禁止! 危険物リストにしっかり記入 僕はごはんで乗り切るから 語りたいことはまた別の夜に シーフードグラタンの熱気が会話を 盛り上げる だけど僕にはライスだけで十分 笑顔で座ってるその姿が、 実は大切なメインディッシュ 誰にも言えずにひそかに味わう恋心 アレルギーという壁と、 シャイな心の壁 二重の防御線で守られた僕だけど この歌にして笑い飛ばせば もしかしたら一歩踏み 出せるかもしれない えび・かに・恋バナ禁止! でも君の隣は安全地帯 食べられなくても語れなくても 一緒にいるだけで満腹なんだ