行き場のない 悲しみを 僕は 君と ひとりじめにする 映画みたいだなんて言って 宇宙によける 雨のように 降り積もることのない 命の渦のなかを 泳いでいく 街並みが写り込む 窓を眺め 聞こえぬ歌をうたう 忘れさられるならば いっそ 好きに生きればいい そう 分かっていた 夕暮れとおりは 混ざり合い 灰になる いずれ 崩れると 分かって 笑ってごまかす 明日のない 台詞を僕らは 何度も読み返して ばかみたいだな 不安の種を 取り除くことができるのは 誰もいない 何もない 世界だ 隙間のない 生活を 埋める何か 探しているうちに 見失っていた 今この時を 取り戻すことはできなくて 現実はどこから 形を無くしたの マーブルな世界をゆく 優しさがあれば 明日のない 台詞を僕らは 何度も読み返して ばかみたいだな 不要なものと 切り捨てることができるなら この痛みも 曇り空に溶けるかな 文章の海をわたって わたって 泳ぐようになぞることさえ できなくなった 僕らの歌は 誰のもとへ行く 誰のもとへ行く 明日のない 台詞を僕らは 何度も読み返して ばかみたいだな 不安の種を 取り除くことができるのは 誰もいない どこにもない 世界だ
