今日のまばたきの感覚に 特に意味はない 朝起きてすぐにすることは 特になにもない すぐに乾かないマニキュアに 特に色はない 流れるプールの水の量 特に気にならない きみは遠くをみてた いつか聞いた国との時差 言葉だけじゃ痛いな 手も目も絵も探していたいから 地下道の隅の落書きに とくに味はない 目の奥の奥のかなしさに とくに色気はない ぼくはぼくを睨んでた 猫がぼくを見上げていた 月が猫を見下ろしてた きみがぼくを見つけた あの星の距離と三億年比べてみる夜 小さな毛布で眠ること 試されない夜 今日のまばたきの感覚に 特に意味はない 朝起きてすぐにすることは 特になにもない