センセーショナルの当日 テレビもネットもぜんぶ電気きえた 外に出てみたら 信号も街灯も灰色で 車だけは忙しなく走ってた 薄暗いコンビニは 早い者勝ちの奪い合い コンビニの兄ちゃんが チラシの裏にでっかく 「閉店」って書いてる 夕方ってこんなに灰色だったっけ そしてみんな灰色に活き 活きしているね 狭い部屋に電球だけが光ってる キャンプだね 冒険だね 余った電池でラジオを鳴らして 「状況は壊滅的です」 なんて言われたってピンと来ない 夜ってこんなに真っ暗だったっけ 世界の終わりみたいなのに危機感が 無いよ センセーショナルの当日 センセーショナルの当日 センセーショナルの当日さ センセーショナルの翌日 崩れた部屋を片付ける 間もなく電気も通った 情報が大量に押し寄せる 友達の友達の街が跡形もない それでも明るい気持ちだ 電気もついたし 早々と近所のスーパーも開いた 商品がなくてどの棚も空っぽなので 一列おきに写メを撮った この不便はいずれ終わるだろって 予定調和の他力本願に身を委ねた センセーショナルの翌日 センセーショナルの翌日 センセーショナルの翌日さ センセーショナルの翌週 酒の肴に重い現実を語った センセーショナルの翌月 みんなで権力を怒った センセーショナルの年末 希望に向かってとテレビが謳った センセーショナルの翌年 関係のない僕たちはただの日常に 戻った テレビもまるで去年を忘れたよう 決着のないまま置き去りにされた 砂漠のような日々 煮え切らず 煮え切らず 気持ち悪いまま続いていく 苦痛の人が未だ打ちひしがれる横で 隣りの人が 緩やかに過ごせちゃっている センセーショナルの翌年さ センセーショナルの翌々年