渋谷でバスを待ってたら 死亡告知欄にならんでるような 気がしてさ ふと足もとを見たら足がない 免税店で買ったサングラス 外国旅行みたいにいかしてる ゆうれいなんていかしてる ゆうれいが道に迷ってる 渋谷でニューヨークを探してる ぼくには君が見えるのに 君にはぼくが見えなくて 生きてる人にばかり発見される ゆうれいなんていかしてる エンパイアステイトビルのてっぺん から 宙づりになって風に吹かれてる 生きていたときには見えなかった 隔たりが 今ぼくと君にはある でも君の瞳の中にはぼくがいる ゆうれいなんていかしてる ぼくに起こった出来事を みんなはぼくに聞きたがる ぼくがどんなふうに殺されたか 本当のことを知りたがる 土台がないからもう組み 立てられない ゆうれいみたいな事件だね 12人の陪審員たちが 街路樹みたいに並んでる いつか1年が10年になり ぼくがここにいなくても この街はここにあるだろう ゆうれいなんていかしてる 夜の匂いはちがっても 地球の朝はかわらない あれからぼくはどこにでもいて 生きてるってことに恋してる 夜には君の街にいて 欅のふりをしてる ゆうれいなんていかしてる