御伽噺の世界は目出度く終わった 取り残された僕たちの向かう先は袋 小路 誰も望んじゃいない 逆転劇を 照らすスポットライトは ここにはありませんが 主役をご覧よ あんなに輝いてるで しょう 死に体の個性と天賦の才はもう腐っ たんで 覚束ない足取りでジャンキーを演じ ていたんだよ 疾うの昔に冷め切った血潮が泥濘ん でゆく お淑やかにやっていこうや 隅っこの方で縮こまって 一生このまんまでいいわけはないが こんなんでも生きていたいんだ 薄汚れて目立ちゃしないけどさ 本心と合わさって上擦る声 ここからだって言い張って 嗚呼、そんならどうぞご勝手に 藻?いた末に 出した答えは シャングリラだかユートピアだかを 夢見て彷徨う化け物 揃いも揃って狭い歩幅で足跡を辿っ ている ほら言わんこっちゃない 虚しいだ けさ ワンテンポ遅れた血液が辛気臭い歌 を綴った 鏡をご覧よ 嫉妬んだっていいでし ょう 諦めが悪いのは 目を凝らせば見え なくもないからさ 体温が上がって 目つきだけがギラ ついていく 手を伸ばそうとしないなら届くもん も届かないままだ いくら来世に期待したって 恵まれすぎた今世の最期に 後悔ばかり募って 躊躇うだろ 打ち明けんなら今しかないさ ビッグマウスだって大目に見ようさ オブラートに包んで 深く溶かせ 栄養状態は良好 されど精神状態は 相当 柄でもないが 参ってしまってんだ 幸福なんか雑味の素で 不幸こそが至高のスパイスだって 信じたくなかった 際の際まで思い詰めた夜 穀潰しで役立たずな 我儘を許して くれ お淑やかにやっていこうや 隅っこの方で縮こまって 一生このまんまでいいわけはないが こんなんでも生きていたいんだ 薄汚れて目立ちゃしないけどさ 本心と合わさって上擦る声 怠った分は補って さあ身銭を切っ て償って 辞世の句なんかまだ早いけど 生まれ変わるなら白い鳥がいいな