垣根の中をくぐり抜けた 風の音だけが響く 彼女に届くはずだった 手紙は一人歩き 漕ぎ慣れた車輪が石を弾く 見慣れたこの景色が 何故か寂しいと感じた いつかなんて曖昧だから 慣れた景色に呑み込まれてく 季節巡り町見渡せば 残されたのは錆びた車輪だけ 知らない時は宝物で 知ってしまえばガラクタ そんな出来事ばかりで いっそ全部止まればいい 輝くミラーは馴染めないオレンジ色 名前もない花を見下している 役を終えた白い鏡は何一つ写せない 知った様な顔で合わせた あの話はもう知らないフリをした 少しだけの願いを吐いた 立ち止まったのは自分自身だけ 声は枯れたそれでも叫ぶ 忘れないでねと空に縋る けれど誰も気付きもせずに 何も変わらないいつもの日々