となりに きみがいる ひとり暮らしのアパート 壁がうすくて 音がもれる 起きる時間 帰ってくる足音 料理をする音 シャワーの水音 顔も知らないのに 生活リズムを 知っている 規則正しいひとなんだな そう思ってた さみしい夜も 壁の向こうに 誰かがいる それだけで 少し安心してた エレベーターで 偶然 目が合った 軽く会釈を してくれた 思ってたより 優しそうで なんだか うれしくなった 顔が見えたら 音の気配も あたたかい 壁ひとつ分の きみ もう 他人じゃない気がした ひとりで暮らすさみしさを 知らないうちに 埋めてくれてた また会えたらいいな 次は こんにちは くらい 言えるかな テレビの音がもれてくる 同じ番組 見てるのかもしれない 名前も 話したことも ない それでも なぜか 気になる ドアの音がしたら ああ 帰ってきたんだ って 勝手に ほっとしてる 壁ひとつ分の きみ ひとりじゃないって 思わせてくれる 恋かどうかは わからない ただ あなたがいると 安心する いつか 話せる日が 来るといいな となりで きみが生きてる それだけで 夜がこわくない エレベーターで また会えた日には 今度は 笑顔で 声をかけたい 壁ごしの音が わたしを支えてる 壁ひとつ分の きみ ありがとう
