在りし日の叙情的雑魚寝 一段飛ばしで上った階段 先が気になって手繰る糸 七月の末から白紙の日記を 埋めるように思い出して 飽きないようにまた色を足す まだ僕は 居残りで蝉の声を聞いてる もう一度ゼロから逆上がりを 教えてくれないか 模範解答を写した わざと少しだけ間違えながら 眩しい西日に照らされて 言いたいことも言えないでいる 隣に屈んで 守れもしない約束をして きっと きっと 繰り返す なにもない素晴らしい一日だった ノイズ混じりのラジオが鳴いてる 新聞紙の擦れる音がする 終わりかけの命をつかまえた プラスチックを覗きこんだ ばれた悪戯と危ない橋を渡った僕を もう一度だけやさしい声で 叱ってくれないか 嘘くさい草原の香りと 他人事だった線香の匂い 混ざり合って記憶に染み付いた あの八月が終わってくれないんだ 晴れていてよかった 本当によかった へたくそに書いて残せるよ 貴方のいない夏を 貴方のいない朝を