ヒグラシが鳴いたら 夕暮れの合図で 気づいたときには ここに立っていたの ねえ 夏休み、最終 遮断機の向こうで 誰か死んだってさ 痛かっただろうな 遠ざかるドップラー 嫌に響いている 私だけが宙に 浮いているみたいだ ああ どうせ声は届きはしないから また息をしている 振りをしている 終わらせたはずなのに 夏が縛ったまま 「大丈夫」嘘なんだよ 顔に出ていたかな 八月の夕暮れ なんだか綺麗だね いつもの通学路 君と歩いたよね 気づいているんだよ 私の真似だよね 袖をまくる癖 なんか腹立ったな 未練ばかりだ 恥ずかしいな 陽が落ちていく 今日が暮れる 終わらせたはずなのに 消えてくれないな 本当の言葉なら 胸にしまったまま 喉につかえたまま どれだけ近づいても 触れられはしないから 一つだけ揺れている影法師 君の性格だからさ 引きずってしまうんでしょう だからほら私はね いかなくちゃ 子供のまんまでは いられはしないんだよ そろそろ終わりだよ もうすぐ時間だよ 誤魔化して逃げ出した 夏に縋ったまま 「大丈夫」嘘なんだよ 本当の言葉は 君が好き 伝えたよ これでいいんでしょ 思い出は持っていくよ 元気でやっていくよ 返事は今度でいいよ いいや 夏が終わっていく
