なくしたものは一体なんだろう 手に入れたものは一体どこだろう 空っぽになったポケット叩いても 乾いた音が響いただけ 走る影は兎か亀か 前をゆくふたつを 追う僕はなんだろう 焦りよりも諦めのほうが 大きくなったならもう終わりかな 例えば僕が息絶えたとして その笑顔をみんなが忘れないように もう少しだけ笑えるかな そのために今日を生きてみよう 太陽が打ち上げられて 喜んで歩き出す旅人 間もなくして北風が吹いて 凍えながら歩く背中 僕の空はまだ曇っていて 時に雨も降りしきるけれど やがて雲を割いて差す光に 焦がれながら進んでいる 憂うべきは社会ではなく 時代でもなく今日の雨だ 傘をさして晴れを待つ間に 君に逢えたなら意味があるね 勝ちか負けか 幸せか不幸か 他人と比べ塞ぎ込むけれど 一日の終わりに見上げた空が 茜色に染まればいい