待ちわびていたような 目を背けてしまうような 桜の並木 こもれびの日々 また今年も訪れる 手を握って 「好きだよ」って 言えないまま 手を振った 桜の花が散る頃 君をまた思い出すのだろう 春の風に吹かれて 並んで歩いたこの道で 目を閉じたりしなくたって ちゃんと思い出せるような 君の手触りを その温もりを ひっそりと 今も 抱き締めて暮らしている 遠回りしながら 街の匂いに埋もれながら 夕焼けの中 自転車を漕いで 長い影を揺らしていく とっさに 君の 涙を 笑いにして 濁してしまった 桜の花が散る頃 君をまた思い出すのだろう 急な雨に打たれて 笑い転げたこの道で もう充分すぎるほどに 時を重ねてきたんだけど 君の笑顔だけ 色褪せないんだよ あとどれくらい 誰かを 好きになれば良いんだろう 花に笑顔を映して 雪に涙を隠して 越えてきた季節を 数えながら 僕らは 大人になってきた 桜の花が散る頃 君をまた思い出すのだろう 春の風に吹かれて サヨナラしたこの道で 胸に手を当てなくたって 今でもここにあるような 君の手触りを その温もりを これからも 胸に 抱き締めて生きていく