逃げるようにただ 駆ける野良猫が 路地裏の中でそっとこちらを振り 向き見つめる 僕らに似てるかな わかってた時には 引き戻せない対岸で 「とりあえず晴れてよかった」 見慣れない部屋 深い溜息が 開けたトランクに また一つ虚を詰め込む 僕ら愛を灯したって 好意をかざしたって 肝心なことがひとつもなく 繰り返し湧き上がった シラけた脈拍が硝子窓を叩いた 初めから 気付いてたことがひとつひとつ 顔を出して みぞおちまでくらって 信号待ちであっためた言葉も 言えない だけど愛を灯したって 好意をかざしたって 君と紡いだのは事実で 無けりゃよかったって想いも カケラもなくて 離れてもきっと 愛を探して袋小路に迷ったって 織り成すひとつの眼差しも ごうつくばりになった 生乾きの時間が 僕らを映すだろう あるがままでいるように僕らを 連れて行く