走り出した十年前 まだ若い甘えに揺られながら 君はどこにも止まらない様子で ただ僕のそばにいて パノラマに未来が見えていたね 二人を乗せた白いロマンスカー 行く先を見ずにただ飛び乗った 約束された指定券は片道きっぷのまま 今も僕のポケットの中 隣の空いたままのシートに 僕はまだ座り続けているよ 君がどこかのホームで待つようで 窓の外が気にかかる 終着駅までは前だけ向いて 二人を乗せた白いロマンスカー 十年の月日を走り抜けた フロントガラス吹きつける風に 傷をつけられても 真新しい姿で 素通りした夢 置き忘れた荷物も 全て乗せたままで あの日に帰る白いロマンスカー 行く先は十年のロマンス トンネルの先 明かりはまだまだ届かないけど スピードは緩めずに