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山月記 feat. 木戸-Z、谷脇クリタ、うぶたか

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  • 2024.07.31
  • 4:38
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歌詞

駈けていた 己を呼ぶ声に応じて走っていた 草葉が肌を撫で 冷たい夜の気を吸った 土の匂いがした 地を踏むごとに力が満ちた 身体が膨れ上がるのが分かった 滾って噴きこぼれていきそうで もっと強く、もっと速く、 と思いながら地面を蹴った 月の光をすぐそばに浴びて この夜の中に溶け 出してしまいそうだった 言葉を辿る墨の滴りが己自身になる 詩作に臨む夜夜の中、稀に訪れた あの感覚を己は思い出していた ひとつの夜から ひとつの夜へと 消しては書いてのくり返し 風流人氏たちの 筆跡を辿りながら 選びたかったのは こんなんじゃない 君に見せたかったのは こんなんじゃない 甘んじる午前2時IT土方 一行ずつ埋めてくカバレッジ率 甘んじる学童保育指導 また他人のために注ぐ酒 指先からタコになるシャコになる 駆けて行くウンゲツィーファ つくる家族の飯つくっては捨てる つくっては捨てるつくっては かつての神童今の、、、 また指先から膨れ上がる 感覚をくれよ 甘んじる真夏の午後4時お迎え 溶けそうな日々のまろやかな甘み 甘んじる2畳半バックヤード 補充するペットボトルの重み 定時タイムカード呆然と終電 たった1行の詩も書けない かつて太陽だった子ども 命がけの飛躍 たまたま躓いた その瑕を切り取られて 霧に紛れたジャイロ いっそのことバターになれたら この毛皮が濡れたのは 夜露のためばかりではない 髭を揺らして自尊心 喉を鳴らせば羞恥心 縞縞模様の ブランケットにくるまって アンモナイトみたいに丸まって 蕩ける夏の午後 夕立ちのにおい 小李、 きみはあの弱虫の夢を見ている しの字に折れた鍵尻尾 夢中で追いかけ転がり落ちるエゴ 深い深い井戸の底から見上げると お月さんが笑った 月の夜にはなぜ吠える 人の子みたいに泣く 小李、50億塩基で綴られた きみが漏らした 寝言 夢の中で、 これは夢だぞと知っているような 夢を、 自分はそれまでに 見たことがあったから。 どうしても夢でないと 悟らねばならなかった時、 自分は茫然とした。 そうして懼れた。 全く、 どんな事でも起り得るのだと 思うて、 深く懼れた。 しかし、 何故こんな事になったのだろう。 分らぬ。 全く何事も我々には判らぬ。 理由も分らずに押付けられたものを 大人しく受取って、 理由も分らずに生きて行くのが、 我々生きもののさだめだ。

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