蕾開いた 桃色の春 花弁落ちた川沿いで 二人背中を丸めながら 同じ景色を覗き込んだ 細波白く 見上げた青 濡れた髪の毛 乾かしては 水の飛沫の 向こう側に 晴れる笑顔を見つめていた あなたが残した匂いが あなたが残した言葉が 未だ心が憶えている 何もない道を歩きながら 黄色く染まる 街路樹では 色の違いで 合わせた靴で 二人歩幅を 合わせながら 二人手のひら 重ねながら 改札の前 吐く息白く 流行りの映画 水族館 合わせたように 揃いの服で 気が合うねって 照れくさそうに あなたが残した匂いが あなたが残した言葉が 未だ心が憶えている 何もない道を歩きながら あなたが残した匂いが あなたが残した言葉が 未だ心が震えている 何もない部屋を眺めながら