私は夏が嫌いでした みんなと違って 素肌を見せたくなかったの 痛みが見える 砂浜から離れてみてる あの子の姿 私は水着が着れなくて 惨めな手首 僕の右手に刻まれた痛みが 君に見せると 嫌われちゃうかななんて その蚯蚓腫れみたいな勲章を 大好きな君には見せたくないから でも本音を言うと私もあの子の ようになりたいと思ったこともある そのたびに死にたくて吐き気が襲う 嗚呼 私はダメな少女 私は人が嫌いだから このままでいいの 毎日暗い部屋の中で 生きてる方が 性に合ってると思うんだ 海に行くより 暑くないの?と訊かれても それは慣れてる 僕の右手に刻まれた痛みが また僕を生きづらくさせるんだ、 なんて でも大事なのは手首の傷じゃない そうプラセボのように 言い聞かすから この痛みと同じくらいには君を 愛せる資格があると思ってるよ 私の取柄 そんなのはないがそうね ああ、病みやすいところかなぁ でも夏だけは嫌いだから。