6月僕は 水彩に染まった 帰る場所なんか どこにも無かったな 花束を抱いて 誰一人いないよ 凡ては自分の せいだと知ったのに 清く正しく なんてのは嘘でしょ 一人ずつ消えて いく謎のゲームに 私を匿う ただ一つの絵画 わざとらしくて 胸が痛いんだ 深い海に消えて 行く方がマシです どこまでも落ちてく 何も知らないのに いずれ骨になって 消えるでしょうけど その時まではどうか 許されていたい 僕に意識があるのならば 君の事は忘れないけど 堕ちるころにはすべて消えて 6月 花束 アクアリウム 波打ち際に 果てた翡翠の目と 萎れてしまった あの夏のプリムラ 嗚咽を漏らして 反応を求めて 冷えた皮膚からは 21g 記憶をたどる 遊びをしていた 軋む砂色の 空だけを見ていた 孤独を装おう 私の左心房 涙は有毒 どうかこのままで 深い海に消えて 行く方がマシです どこまでも落ちてく 何も知らないのに いずれ骨になって 消えるでしょうけど その時まではどうか 許されていたい 首のない私とあなたは そこで永遠に居座るだけ 流れ着いたのが地獄の花 6月 花束 アクアリウム さながら私は 溺れ死んじまった 「可哀そうにね」 と掛ける声もないが 鯨の骨が 妙に心地よくて 控えめに言って ここは還る場所だ