春風に溺れるセピアの街 人波の隙間に土の匂いがして 耳鳴りと少しの鈍い痛み 何かが喉元に宛がわれるようで 嘘だけ塗りたくって汚れた 僕の心なんて もういっそ刃をたてて バラバラに引き裂いてよ 高架下のその場所に置いてきた 未来は 今でも僕をそう 簡単に離さずそれでいて 遠くに消えていく 頭ん中でただ咽び泣く君にかける 言葉もなく それは誰が言うまでもなく 悲劇なんだろう須らく 大雪は見る影もなく 解けていったんだ 音もなく 救いなんてあるはずもなく ただ呻いている 嘘など 吐いたこともない 君の澄んだその瞳には 君のための僕はさしずめ 悪魔なんだろう 高架下のその先はコマ送りなんだ 惨めな僕が追いかける目の前で 揺らめいて久遠に溶けていく なんてことない未来は なんてことなく書き換えられて 高架下の間違いは もう触れない 触れはしない つむじ風が遊ぶセピアの街 人並みになれない僕にも春はくる 耳鳴りと少しの鈍い痛み 忘れなどしないさ この身が裂けても