ああ 夢から覚める 止まらない動悸 火曜日の昼下がり独りの部屋に 差し込む光 眩む両目が掴まえた手のひらで全て 思い出す 脱ぎ捨てられた似合わない服 かき分けてまたふて寝を繰り返した どこかで響くサイレンの音 それすらも別世界のことのようで こんなの嫌だ 掻きむしって 迷子の犬は必死に吠える 君は睨む 「最期だけど言いたいことはそれで 終わり?」 息を切らしてひた走る 僕の脳裏をよぎる君の残像と 悲しいほど綺麗な空 六月の風がゆらり頬を 撫でてはさよならだって耳元で 囁いた もうこれ以上何も望まないから 裂けるような胸の痛みを消し 去ってよ フラッシュバックした惨劇の染みは 絨毯にこびりついて落ちなくって 「大好きでした」「嘘でしょ」って 本当に君は勘が鋭い 鉄塊の下にあるはずの存在証明が 見当たらない 声を枯らしてどれだけ叫んでも 遠くで見てる君の亡霊は 許してはくれなかったよ 裏切りに遮られた踏切の向こう 込み上げてくる嗚咽を飲み込んだ 君のこと塞ぐ 前に刻みつけたその場所では 何もかもが眼を背けて白々しく突き 刺すだけ あの時の白い息とけたたましく喚き 散らす 機械音も悲鳴も信じたくないんだ 息を切らしてひた走る 僕のまぶたの裏に君の残像が 焼きついて離れないんだ 六月の風がゆらり頬を 撫でてはさよならだって耳元で 囁いた 透過 脱ぎ捨てられた似合わない服 かき分けてまたふて寝を繰り返した どこかで響くサイレンの音 それすらも別世界のことのようで