待ち合わせで先に到着した僕は 雨が振りそうだと送ったメッセージ 軽快な絵文字で 「傘を持ってきたよ!」 得意げな君が見えるようで 現れた君は浮かない顔して "忘れてきたんだ"と 「人は忘却の生き物」 真面目に言ったのに 君は笑った 君と歩く 優しい時間 日々の色が 愛おしくて 少しだけズレた会話 何故か心地が良くて 僕と歩く楽しそうな声 並木道に響いてく いつのまにか雨は上がったみたい 今日はどこへ行こう あれは3年前 とても暑い夏の日 人生掛けてたコンクールでさ 時が止まったんだ 落選の通知で 全てがどうでも良くなった 今から思えば あの時の僕は可愛くなかったね 「風の吹く日が来るよ」 君の前向きさに 僕は泣いた 君がいると 光が灯る 僕の胸が凪いでゆく あどけない鈴蘭のように 足元を照らしてる 僕のそばで必死な君に 思わず笑い こみあげる 落ち込んでもしょうがないね どこか散歩にでも行こう 僕らはきっと何十年経っても 互いに励ましあってさ ときに泣いて慰めあったりして 幸せが続くんだろう 君と歩く 優しい時間 何度だって 繰り返して 少しだけズレた会話 今では大好きなんだ 雨上がりの虹を見上げて はしゃぐ君が愛おしいよ 君が見るその景色をずっと 僕もともに見よう