鉄の心臓が雨に当たらぬよう 今日も軒先を探し歩いてる もし濡れれば酸素とゆっくり 結びつき こんな心さえ錆びて止まるという 流された日々の隙間で瞬く あの子の涙で壊れてしまいたい 暗がりで息を継いだ明け方に さわれる言葉を忘れてきたんだろう 鼓動より早く過ぎる歳月は いない神様の悪ふざけのよう ねじれた視界を不意に横切った 青い光まで僕を置いていく 交わされた意味の隙間で輝く あの子の涙で作られたプールで 僕も泳げたらもっと知れたかな 痛みの温度やその深さまでも 欲しくないものを欲しいと言ったり 嬉しくもないのに 喜んでみたり どうしてあの子は 嘘をつく時に限って ちゃんと目を見たんだろう 気をつけてたけど それでも錆びてく 僕の心臓はもうすぐ止まるだろう 君を想うたび 胸の奥底で 湧き出た哀しみと一つになる朝 止まった時間と冷たい身体は 呆けた時代の忘れ形見だろう 土に還らない脆い心にも 涙を生み出す器官があったそうだ