草いきれ匂い立ち 紫色の花とバラが咲く 五月の青葉は 木漏れ日を浴びて 後の事ならどうでもいいよと 綾織りに垂れこめる 霞けぶる季節は 音のしない世界で ひらひらと手を振って 気高い頰は虹色 悲しいほど優しいあなたの 朽ちていく枝葉と戦がぬ花弁の 往きつく先が仕合わせだというなら さよなら今生 またきて来世 光るは君の言葉と眼差し 春はうわごと 最後の言葉は忘れてしまった そんなものなんだろう いついつ出やる 転がる花片よ もうたくさんだろう 春はうわごと 覚えていたなら、 きっとこのまま生きていかれないと さよなら今生 またきて来世 光るは君の言葉と眼差し