花はもう終いと 出そろう青葉に知る 霞んだ川面を 犇めく花弁が汚す 花の汀で彳んでいる 淡い思いは潮騒橋で 澱む水に捨てるわ ああもう、なぜ涼しい顔で 花は散る ながめる合間に 差し入れた手肌に 張り付く花の骨は 浮かぶ死んだ蠅と 容貌で分かりはしない 軀を頼る愚かさを 春の暮れの夕凪橋で 切れない潮目に気づく 幾度も得ては失う繰り返しに 付き合えないなと 春は往きて 思い出は霞橋で途切れ、 あとは忘れた 甘い香は春の驕り 熱い血も嘘をつくとは 淡い思いは潮騒橋で 澱む水に捨てるわ ああもう、なぜ涼しい顔で 花びらは土に還ると