鉛色の空は 知らない人の匂い 誰でもないままがいい 水たまり 吸い殻 夜の帳 チラつく裾に爪を立て 可愛い誰かとつかみ合う意味はない 撲っても撲っても散らかるのは 嘘ばかり きっとおしまいよ 置き去りにして 思い出して 西日が射し込む部屋の中で あなたが初めて抱いた恋を どしゃ降りの今日を 帰れないでうろついて 何てことはないと嘯くの そうでしょう 傘の錆びた骨を伝い下垂る 「ああ、間違えた」と知らぬ振り 雨の音 降っても降っても肩を 濡らすばかりで 答えは出ないの 置き去りにして 思い出して 真夏の呑み込まれそうな空 どこ迄も行ける筈だった頃 あなたと同じ空を見た頃