灰の悦楽 噛み締めて 手繰り寄せる金網の世界 あの三日月の線をぼかす夢は 終わりのないアレルギーの正体 空の結末 流し目で 思い出す暇もない夜 あの三日月の線を伝う雨は 滑り落ちる涙の正体 クラクションが鳴る 歩道橋を揺らす あなたの声が 隙間から零れ落ちる 溢れ出した運命は 笑って奪ってしまう 透明な傷を隠して 飾って腐ってしまおう 弾ける刹那 酔いしれて 消えてゆく気まぐれのブルー あの三日月の線を辿るように 順繰りにひび割れる季節 静寂が 耳鳴りを誘う あなたの声が 隙間から滴る 溢れ出した運命は あざって壊してしまう 不感症の皮膚を纏って 飾って腐ってしまおう 張り詰めた 空気が宙を舞っていく 眠らない光 あの日の話 全て忘れさせ 見えなくなっていく 暗い灯火の中で