さきかけた馬酔木と 動けない水車と ほら かれかけた小川と 懐かしむ思いは駅に立つ 坂道をほら登ったとこは 神様と かくれんぼさ もたれかけた 大きな木はかわらず 駆け足の少年は石畳かけぬける ほら ゆっくりのぞいた僕の影法師は 今も幼く春模様 はにかんだ夕日は ゆっくりと歩き出す 心地良いそよ風は この冬が去るのを物語る つまずいて僕が気付いたとこは 桜さく あの校庭さ こわれかけた 低い跳び箱はかわらず 駆け足の少年は 振り向かず追い掛ける ほら すっかりぼやけてのびた影法師は 浮かぶ事もなく 消える事もなく 鳴り響く鐘の音 冬から冷めて 僕にくれた 春のやすらぎと駅に立つ 駆け足の少年は石畳かけぬける ほら ゆっくりのぞいた僕の影法師は 今も幼く春模様