青いぼうしのおじいさんが転んで 起き上がれなくなった 路地は静かで 枯れた噴水がカラスをつつんで どっかの窓から ピアノの音がきこえる 取り残された二人は 力なく笑い 動き出す 歩き出す 星が見える夜の川べりを 小さな石がくつの中に入って うだうだ言いながら君はぐるぐる 乗れなかった電車が鉄橋を渡って 涙のあとのような雲が切れていく 取り残された二人は 力なく笑い 動き出す 歩き出す 星が見える夜の川べりを まるで最下位争いのモーターレース 苦い光は ぼやけていく 苦しさもあきらめてしまった君と 僕に 追いつけない 夜は追いつけない 取り残された二人は 力なく笑い 動き出す 歩き出す 星が見える夜の川べりを つかれきった二人に 言葉は落ちていく ゆっくりと走り出す 周回遅れの日々を 置いてけぼり 三周遅れの