呼び声が聞こえた 微かな声が聞こえた けれど僕は背を向け歩き出したんだ 彷徨い歩いて どれだけ経っただろう いまの生活もそれほど悪くないよ 何かが 何かが足りないけれど 僕の中の信じたものは 手のひらに残った感情だけで 空っぽになった心を 懸命に抱きしめていた そのわずかな温もりが妙に寂しい 呼び声は止んだ 静寂が僕を包んだ 見渡せば世界は色を失っていた 彷徨い歩いた足はもう痛みを伴って いまの生活はいつまで続くのか 何にも 何にもわからないよ 僕の中の信じたものは 何だったのか忘れてしまって 光を失った目だけで正しさを 見ようとしている 霞んだ世界に僕は独りぼっちだ 心に耳をすました 消えそうな声でずっと 叫んでいたのは 僕だったのか 呼び声が聞こえる その元に向かおう 神の思し召しとも言える声の元に 僕の中の信じたものは 歌声にのせた感情だけで ただそれだけだった 今やっと思い出した 聞こえる 叫び声をもう一度抱きしめて 歩き出す 呼び声の方へ