満月の夜になら 少し強くなれる気がした 貴方の口癖を反芻しても 色のない世界だけれど 満月の夜になら 少し強くなれる気がした 満月の夜になら、、、 君のいない部屋の広さに もう慣れてしまった 置いてった灰皿はベランダで 孤独を飼い慣らしてる 帰り道 懐かしい匂いはあの香水のようで ふいに押し寄せる淋しさが胸を刺す そんな日々にさよならを 告げる勇気を コンクリートに叩きつけた灰皿 破片たちが月明かりに煌めいてる 綺麗だ なんて綺麗なんだ 満月の夜になら少し 強くなれる気がした 代わりのビールの空き缶も笑ってる この街には君との思い出ばかりが 並んでいて いつも待ち合わせた居酒屋は なんだか行けなくなってしまった 役目を失くした合鍵 寂しそうに寝転んで ふいに押し寄せる虚しさが 胸に満ちる そんな日々にさよならを 告げる勇気を ベランダで空き缶と最後の一服 揺れる煙が月明かりに溶けてゆく 綺麗だ なんて綺麗なんだ 満月の夜になら少し 強くなれる気がした 私は明日この街を出ていく 満月の夜になら少し 強くなれる気がした 貴方の口癖を反芻しても 色のない世界だけれど 満月の夜になら少し 強くなれる気がした 次の街でも 私を 優しく照らしてくれよ それだけで十分だ 「君は月明かりが良く似合う」