早く大人になりたいと 項垂れる頭を風が追い越した 教室の隅ひとり座りながら ため息の行先を見守っていた 早く大人になりたいと 零した涙が夕日に反射した 窮屈な制服を脱いだ時 自由の恐ろしさに心が震えた 思い描いた大人とはかけ離れ 繰り返す味気のない日々に絶望した あの日の大人も本当は こんな毎日を生きていたのだろうか 答えが欲しいのだ 答えが欲しいのだ 押し寄せる自由と選択肢の多さに 怯えながら足を進めている 肯定して欲しいのだ 肯定して欲しいのだ 選んだ選択肢がきっと最善だと 言い聞かせながら今日を進む 記憶の中の少女は淋しく笑う 迫り来るような夕焼けが 夜に飲み込まれてしまう前に あの子にさよならを告げたいのだ 君だけはどうか 君だけは何色にも染まらぬ 少女のままでいて 答えが欲しいのだ 答えが欲しいのだ 押し寄せる自由と選択肢の多さに 怯えながら足を進めている 肯定して欲しいのだ 肯定して欲しいのだ 選んだ選択肢がきっと最善だと 言い聞かせながら今日を進む 記憶の中の少女は淋しく笑う あの日のオレンジを夢に見てる