遠くで響く遮断機の音でようやく僕 は体を起こして ぼんやりとした陽だまりに向けてあ くび混じりにおはようを言った 揺れるライラックの中に君を見てな んとなくもう気づいてた 愛してるって言葉は意味を失うさ 忘れちまおうぜベイビー 眠りの中なら笑って話せる気がした よ おやすみまたね、いい夢見てね 春の終わりに雨音が響く ありがとうなんて馬鹿みたいだな 言葉をなくしても構わない暮らしを 続けながら僕らは日々に溶けた 線路の上の空き缶でタバコを一つも み消しながら 入道雲はまだかいねとそんなことば かり 考えていた 響くサンダンスの果てで君と見た恋 の仕草にも 追いかけるほどの理由はなくてさ 終わりにしようぜベイビー 次に会うときは 本当のことを話そうか さよならまたね、振り返るなよ 夏の匂いで頭がいかれそうさ これからのことは何にもないな アスファルトの上を陽炎が昇る 僕は立ち止まってそれをただ見てい た おやすみまたね、いい夢見てね いつものように笑って言えたかな さよならまたね、振り返るなよ 明日のことを話したくなるじゃない か そして僕らは時を重ねて ライラックの香りがなんとなく鼻に つく それに気づいて僕は少しだけ 幸せだったよ