タネも仕掛けもどこにもないのに 雲があまりにも 早く進んでしまうから 日が暮れる様を気にも留めずに 目をつむっていた 駅前で甘い言葉 少しだけランデブー やわらかな風の中 煙を巻いて飛んで恋をする 冷めたミルクコーヒー 甘くない現実に肩落とした 夏の匂いがして 少し焦ったりして 安っぽいキスに飲まれて 笑っていた 確かめたいことはいつも 知りたくないことばかりだから 夢の中で笑えればいいか 三文小説の日々 伸びすぎた陽は 君の長い髪を照らして 嘘みたいにクソみたいな セリフ吐いて溶ける時間に 抱きしめたら大きくなってた希望に 心奪われた とにかくもう眠りにつこう 明日には忘れるんだから もうちょっと浸りたいけど 仕方ないな 三文小説の日々 味わうほどのものではない 辛々逃げ込んだ秘密の部屋 映し出された記憶のキネマ 抱きしめたい 通り過ぎてから気づく 味気ない良さに 閃いて消えるからたまらないね 三文小説の日々