思い出のあの島は 今じゃただの岩だ さざなみに揺れて漂流 とこしえの波音の彼方 人は疎ら ただ風に吹かれている 赤くなった夕暮れの 香りまで覚えていた いつまでも続いている気がした 揺れる海岸線と 空を撫ぜるセレナーデ まだ旧くない頭の中 風来者の潮風に誘われて 目と目が合った時の事 背中が合った時の事 すべからく時は流れる ノロマを乗せ どこまでも進んでいく 伸びすぎた陽の憂鬱も 止めどない影法師も いつまでも続きそうだったんだ 揺れる海岸線の波は跡を消さないで 寄せては返す言葉の先 風来者の潮風に誘われて また暗んでいく空 揺れる海岸線を終わりまで瞬いて まだ旧くないあの日のまま エンドロール ガラス玉の目に映さないで また眩んでいくから