Track by松木美定
向こうの畔の君の元から手紙が 白い紙を畳んだだけのもの 僕はそれを窓際においた 気にかけ 折り目は丁寧で全て綺麗に聞こえた 湖を背に座り 誰もいない森の奥 眺める君と夢を見ていた気がした 柔らかく静かなまま 夕 風を撫でた君の手元がぼやけた 呼ぶ手では無い、と確かめて 僕の方では ただ暮らしを進めて、送って 折り目が再び元を思い出していた 森を背に立ち、歌い 水面に小石を投げ 待ち続ける君に 優しい舟を渡そう 窓際でサインを捕まえるから 変わらないこと わかっているから