水星の街 歩きだす 溶岩の海に 映る影 二重の月が 揺れている 足音だけが 響くのは 重力が軽い せいだろう 熱を帯びた 大地から 立ち昇る靄 くぐり抜け 半分凍った クレーター 輝く結晶 抱きしめ どこまでだって 歩けるわ 誰も居ないから 私だけの道 陽の当たる面 避けながら 影の谷間を 進んでく 永遠の夜に 慣れた目は 星々たちの 光を読む 惑星の縁 なぞるように 孤独を織って タペストリー カロリス盆地 見下ろせば 銀色の砂が 踊ってる 時間の流れ 変わるのは 太陽からの 距離のせい 水星の上 彷徨って 私の心も 満ち欠けて いつか出会える 私自身 静寂が抱く 真実へと
