春風に過去を託して 独り歩く 桜裏通り さよならは 寂しいけれど きっと みんな同じ 急いでかけてゆく 青年の頭にしがみついた 花びらが落ちるのを見て 心が騒めいた 木漏れ日に舞う春の 儚き命の その向こう側に あなたを待っている 不思議な扉 気付いてた少し前には それでも しがみついた不安は 落ちて消えはしないから 今はただ ただ前に進むと決めたんだ 桜散らした 風が背中を 押して扉へと誘う さよならは したはずなのに もう帰りたくなったよ 甘くてほろ苦い 駅前のパン屋と あのコーヒーの匂いが することはもうないんだね 明日からは新しい道を歩く 昨日まではあんなに笑って 語り明かした 夢も今は怖くて 「でも行くしかないから」 「後ろは振り向かないで」 そんな声が聞こえた気がした 春なのに 春じゃないような こんな気持ち ずっと前にも 感じた気がしたんだ 夢じゃない そう覚えてる きっと大丈夫 「また笑える日は来るから」 「扉開いて」 いってきます
