乾いたプールの底 夏の声がまだ響いてる 誰もいない午後の光 影だけが揺れていた ひび割れたタイルの上 落ち葉が風に踊る 触れた水の記憶だけが 指先に残ってる 消えかけた笑い声が 胸の奥でほどける あの日の温度を いまも探してる 乾いたプールの底 夏の声が呼んでいる 過ぎていく時間の中で 心だけが息をしてる 青く剥がれたペンキの下 誰かの名前が残ってた 太陽に溶けた約束が 風の中で眠ってる さよならの代わりに 沈黙だけがあった それがやさしさだと いまなら思える 乾いたプールの底 夏の声が呼んでいる 君の笑顔を思い出すたび 光が滲んでいく もしもう一度だけ 季節が巡るなら この静けさごと 抱きしめたい いたプールの底 夏の声が呼んでいる さよならじゃなくてただ 遠い夢の続きだった 夕暮れの風が吹いて 世界が少し冷たくなる それでも胸の奥で 夏が鳴っている
