きみはずっとここにはいないだろう 蜻蛉玉の飾りを揺らしながら ドアの前で気づいたのさ 友達は夏のように去って行った 新聞にも載らずに 薄情な僕らは手をつなぐうちに 彼を忘れていったのだ 練馬の喫茶店では染み付いた 煙草の臭いで 苦味を増したステーキの焦げ目も 蜂蜜で流し混んで 喜びも悲しみも平らげ笑う 馬鹿馬鹿しいだろう でも 恋をしていたのだ 鉄道は星空を行く 切手のイヤリングを連れて きみはずっとここにはいないだろう 僕にだってわかるさ くだらない歌を作っちまうほどに 馬鹿馬鹿しいまでの 君はずっとここにはいない 僕はずっとここにはいない 蜻蛉玉の飾りを揺らしながら きみだけが出て行った 恋をしていたのだ