亡霊、水無月も終わる頃 なんで突然に現れた 間違いじゃないかって? 間違うはずがないだろ! その顔を 満願、夏祭りの夜まで 灯籠が海原に着くまで ただいまって言ったっけ? おかえりって言ったっけ? 永遠はなく、木漏れ日が歩いて 眩しそうな瞳 優しさに似た幼い弱さで 魔法を唱えて! 愛とはなんぞ 確証なんてないが それでも赤色と信じているのだ 伝えたいことって溢れるほどあるが どれから話すか決められない その笑顔に釣り合う歌がない 町は海のように様変わり いつか通い詰めた喫茶店も あのチーズケーキって 思い出せないんだ、もうずっと 亡霊、国道の隅で今 ジュブナイル ささやかな告白を 弱い願いを こっそり繋いで 恋とはなんぞ 記憶は怪しいが レコードで聴いた サキソフォンみたいな 帰んなくていいさ 一緒にいたいよ 人差し指で蓋をしてる 僕らは子供みたいに遊びまわり 問題を夏の宿題の様に先送りにして 拾った小銭で缶ジュースを買う様な バツの悪さを覚えながらも夏が 過ぎて 終わっていくのさ 願いを叶えて 恋ではないが 愛だって違うが それでもあなたに話があるのだ 名前で呼んで! それだけでいいの それだけをずっと忘れない 消えていく夏の獣たち 忘れちまいそうな歌がある この世界を滅ぼす兵器がある でも あなたの笑顔に敵わない