かくいう君が、告白をする様に 団地の広場で息を吸い込んだ。 百年の数秒が過ぎたその後で、 困った顔で笑うのでした。 『スーパーマーケットへ 行きましょう。 足りないものを揃えるために。 私達は明日も生きるのでしょう? 例えば社会の亡霊でもね』 答えを合わせる様に、 互いの目のその奥を覗き込んで よく似た顔を寄せる。そんな風に また午後は過ぎた。 観覧車は一番高くなって、 僕は漸く気がついた。 「きっと、 とても離れているのだね。 あの海は、きっと。」 句読点の多い会話だった。 僕らには理解できないままだった。 語らない部分の柔らかさも、 ベースボールのルールでさえもね。 終わりの合図が来れば、 君は『さようなら』 すら言わないままに (大抵の別れがそうである様に) 消えてしまった。 答えを合わせる様に、 よく似たふたりは顔を見合わせた。 けれど、 どう比べてもあなたの方がずうっと 素敵だった。 観覧車は一番高くなって、 今更になって気がついた。 「僕ら、とても離れているのだね。 今にも触れそうでも、 あの海と同じ」 今にも触れそうだ。