傾く月夜に未だ歩くは 深夜の国道沿い 遊覧して 今の場所ももう分からないよ 昨夜のまま変わらずだな 大して気に留めていない 連絡はない 綱渡りみたい もうどこかへ行こう 欺いた夜去りに褪せた影が 塞いだ筈の穴を開いた 嘯く言葉に飾り付ける 飴細工の滑稽さに 千切れる涙などはもう枯れ 果てている ふらつく足取り 陸橋から飛び込んでみたい 光の線に都会の街並みは他人事 さざめいた嘲り 閉じた穴が 凪いだ夕を思い出した 通り過ぎた窓を眺める 君はまた立ち去ってしまうと 知っているのに 遣る瀬無く束ねてた無力さに また振動を飲み込めるよう 影も無く「魔法の無駄遣い」 逃げ出して何処か遠くまで 行けたら煌めいて見えて行く 重ねた体に湿り 熟れるのは中身のない果実で 温度すらない風は吹き去って行く 揺らめき歪みがかった嘆きに 気付かれていない 迷惑もない 綱渡りみたい もうどこかへ行こう